大企業の人間
「大会社の人はぶりっこ人間が多く、また背伸び人生でもすみますが、そういう人にかぎって一旦落ちだすと落ちるのも早く、どんどん使い物にならなくなります。
Pさんもいまのうちに発心して自意識過剰を捨て、平気で恥をかけるようにならないと、立ち直れませんね」
社長はP氏に第二の人生では、見栄や外聞、バッタリや過去にたいするこだわりを捨てないと、自分自身が辛くなると匂わせましたが、P氏はその示唆に気づかなかったようです。
「余計なことかもしれませんが、せっかくの能力者ですから、あなたから注意でもしてあげられるんならと思いまして、いちおう出向いてきたしだいです」
「それはそれは、わざわざどうもありがとうございます。
そこまでP君のことを気にとめていただきまして・・・」
私は丁重にお礼をいいましたが、P氏のようなタイプは大企業には珍しくありません。
社長自身P氏にたいしては
"仕事上は充分取締役、否、常務としてもやっていける人物だが、会社としては人事管理上、いくら能力があっても新規採用者をいきなり常務に抜擢するわけにはいかない。
2、3年は平部長で辛抱してもらわなければならないが、P氏の心根では、仕事がうまくいけばいくほど、どんどん待遇にたいする不満が昂じ、社内外の誰彼に不平をぶちまけることになるだろう。
社内の皆が納得するまで昇進を待ち切れないにちがいない"
・・・という評価をしていました。
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